Luci
水町綜助
そのことばをぼくは
騒ぎ立てる人々のただ中で聞いた
underworldは時間を小刻みに
おしころした感情の無感情
そんな音で刻んで
一拍一拍に
いわゆる時間は切り分けられて
確実に進んでいった
それを体で表しながらただ聴いた
ふりみだれたぼくは
泣いた
きみが僕に伝えた
そのことばが
ただフロアに浮かんで
そのことばが表す
ひとつのささやかなできごとに
音が刻まれるたび
確実に近づいていくのがわかったからだ
「ゆっくりでありますように」
自由詩
Luci
Copyright
水町綜助
2011-08-21 13:34:50
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