ふるわすように、雨
あぐり




今日も
まぶたの底に沈んでいる
気配を感じてまた
泳ぎながら指を固める


永遠はいちばんわかりにくい翻訳だから
爪先から這い上がってこないように塗るくちなし色の
どこにいても思い出してしまう水のにおいは
首筋にはりついてもう
ふと何気なさを装うように中指で撫でている毎日
春雷を踏んでいくステップ
あやすような呼吸を落とせばまた少し
鼓膜ふるわすように、雨





自由詩 ふるわすように、雨 Copyright あぐり 2011-08-20 23:17:31
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