夏の日
あぐり




腕の足りない分に
被せたシャツのボタンホール
くるぶしをすりむいてわらうあなたの
小指をほどけば
青梅のかたさを思い出すような八月


どこまでも
だらんとのびていく足の白さに
ついていこうとしている静脈たちです
酸素すら奪われないような
だからやさしいって
思っているし思われているし
どこまでも続いていくくせに
拡がらないわたしの、分裂です
いつもこうしていたみたいに
机の下で小指を踏みつけている
どこまでもわらう
真白い日差しをうけて
遠退く景色の輪郭が好きでした
守るような柔らかい拒否で
かたくなるあなたの
背中が好きでした





自由詩 夏の日 Copyright あぐり 2011-08-20 23:09:39
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