エンドレス・サマー
亜樹

道の脇に花火の燃え殻が落ちていて
ああ、そういえば昨日はお祭りだったな、と思いだす。
夏の歩みが
あんまり一歩一歩ゆっくりなので
なんだかもう、
ずぅっと夏の、
ままな気がしてた。

ジィジィ煩いの蝉の間で
ひぐらしが間抜けなヴィブラート。
気がついたときにはもう君は
随分先まで
行ってしまった。

エンドレス・サマー

今年も誰かのiPodの中で
そんな文句が
キラキラと流れる。

エンドレス・サマー

そんなものが
あった気がしてた
あの日の僕と
あの日の君と

エンドレス・サマー

ひぐらしの間抜けなヴィブラート
キラキラしてたのは
僕等の汗だったのか
僕等の夢だったのか

エンドレス・サマー

そんなものが
あった気がしてた
あの日の僕が
あんなに遠い


自由詩 エンドレス・サマー Copyright 亜樹 2011-08-08 22:09:07
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