隣に立つ異世界の住人へ / 夏はやっぱり不思議話
beebee






ホームに止まった電車の窓越しに見える
同じく所在なく立つ隣人を想う
二本の平行した線路上に交わる事なく
二人は未来永劫交差することは無いだろう / たぶん

2011年6月27日午前7時45分37秒 / 現在

地球、アジア、日本、東京、中央区、人形町の
東京メトロ日本橋人形町駅の二番線と一番線に
二列並んで停まっている電車に二人並んで
車窓越しに立っている / 状況

上り電車と下り電車は今同時期に日本橋人形町駅のホームに入って来たのだ
それは北緯 35度41分8.383秒, 東経 139度46分56.827秒にあるのだが / 本当
そして笑ってしまうが6月27日は僕の誕生日なのだが / それも本当

GoogleEarthのように一気に俯瞰すると
日本橋人形町、中央区、東京、日本、アジア、地球、太陽系 / 行き過ぎ ^^);
時間的にも空間的にもこんなにも接近し
隣り合う電車に乗り合わしている奇跡を想う / 思わない ?
そう考えるととても他人とは思えない二人 / オイオイ
今二人ここにいる不思議を想う / 本当

でも彼女は私を過去から知らず
現在も知らず未来永劫知る事もない / たぶん
昨日も知らないし明日も知らない
もちろん明後日も知らない
これからも交わらない平行線上に生きている / 確信

彼女にぶら下がる係累が遠く進行方向に続く線路に点々と立って並んでいるのが見える / 気がする
僕にぶら下がる係累が点々と僕に続く線路に並んでいるのが見える 
二つの違う流れは何処かの先で交わるのだろうか / 全然

だから隣り合う異世界はひっそりとあって
確かに僕たちは隣り合って生きている / 不思議
僕たちはこんなに接近した時間的空間的状況にありながら
全く違う次元に生きているのだ

例えば彼女をC子さんとしよう
彼女はこれから恋しいB君に会いに行く
でもB君は偶然にもこちら側の地下鉄に乗ってしまい
二人はすれ違って行く運命にある / 違うでしょ

今僕がホームを飛び渡って行き
向の電車に乗り込んだらどうしよう
果たして運命は交差するのか?
二人にぶら下がる係累の流れが交差し絡み合って繋がるのか? / まさか
ヂィリリリりと発車のベルが鳴る

突然彼女がこちらを向いて手を振った
エーって顔をすると突然扉を出て階段を駆け上がる / まさか
来るのか
こっちへ来るのか?
大急ぎで階段を駆け下りてくる彼女が見えた / まさか

でもプッシュウという音を立ててこちらの電車の扉が閉まる
あれ
あれあれ
三文映画の場面のように扉を隔ててふたりの状況か? / まさか

彼女は友人の女性グループと手を合わせ挨拶をしていた
それは2番線のホーム上のことであるが電車は発車するのだ
お久しぶりなんだろう / と思う
実は最初から視野に見えていた / 期待した?

だから隣り合う異世界はひっそりとあって
確かに僕たちは隣り合って生きている
僕たちはこんなに接近した時間的空間的状況にありながら
全く違う次元に生きているのだ / 本当に不思議






『狸囃子 / 夏休みの想い出』… 本当にあった不思議な話。
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=163014





自由詩 隣に立つ異世界の住人へ / 夏はやっぱり不思議話 Copyright beebee 2011-08-06 23:09:46
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