因果日乗ドラえもん3
石川和広

のび太の意識は、深い昏眠の中を、ほつれていく、かなり遠くから力強い声が、赤色のガラス瓶の中を、散らばっていく。

僕は、命令者だと叫んでいるオトコがバルコニーに立っている。

彼は消えてしまいそうだ。僕は彼なのかな。
強い地鳴り、僕の力では……どう、ら、りる
れ、む、り…さむ


ベッドの横で、白衣を着た壮年の医師が、カルテに眼を通していた
意識が戻っても彼は、幻から戻れるだろうかと時計を見る
経過時間3時間28分。
昼飯か

かなり暴れたな

のび太の掌に赤い丸の刺青がある


未詩・独白 因果日乗ドラえもん3 Copyright 石川和広 2004-11-16 14:38:19
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