コラージュ風
あおば

                  110803


ベークライトボディーと避暑にいったよ
荒唐無稽な真空管が
二人三脚で躓きそうに駆けだした
蒸し暑い夜になっても
蚊取り線香の煙が棚引かない
並四ラジオに似たDKE1938
gd@(4c4d'dw
機銃掃射しても
けっして悪びれない若者をおびき出す
墓地の外れには
セイダカアワダチソウが刈り取られ
うず高く積み上げられ
木製ボディーの三輪車の到着を待っている
改造された電気車の電池を交換するのに手間取って
うっかりして放射線計測器を積み忘れたと
直流から交流に変換するインバーターの殺し文句を
積み上げられたアワダチソウに聴かせながら
タバコを吸おうか考えているあなたは
横着でずる賢いとは思わないか

シンボルの機能する
   都会の
裕福な家庭では
既に良識化しているようだ

小企業の貧弱な製造設備を売り払い
地下室で密造酒を醸造する勢いで
真空管を密造していた人が居たのを昨日知った
時代も禁酒法時代であったのは偶然ではないだろう
金太郎飴のような麗しい空間を通り抜け
(やってくる)
甘い空気を少しだけ味わう
それが贅沢だったんだよと
煙のような青年が
笑うように転がって
アワダチソウに潜り込み
どこまで行っても晴れない季節を堪え忍んでいるようだ

少しは晴れると好いね


自由詩 コラージュ風 Copyright あおば 2011-08-03 12:24:08
notebook Home 戻る  過去 未来