木目のお盆
yuugao

楽しかった、お茶碗。
お茶も、嬉しそうに、みんな飲んでくれた。
地元に詳しい郵便配達の人の話が
とても怪しくてゾクゾクしたものだった。

公になった館の中で
黄色くなった木目を見つけては
みんなでよく笑っていた。

「瓦は宝石だ」と言うお爺さん。
瓦が雨で濡れた日には、必ずやってきていた。

お盆の上で、茶碗が主役となっている内は
誰もみんな、外の広がりについて
これぽっちも考えずに居られた。


自由詩 木目のお盆 Copyright yuugao 2011-07-26 21:47:29
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