心星
るるりら

風は ふいに吹いて 窓を叩く
黒板の向こうに 鯨がゆく
地学の時間のあくびと 古生代
わたしが 海から来たのなら
うたたねで見た あの鯨は 真実、わたしの古い友人だ
だれかが私を呼んでいる たしか寝ぼけているのだけど
声が聞こる
【おいで
 わたしは、闇だよ。やみくもに闇さ もっと深くへ 】
わかってる あれは私の本心 なんどもなんども 聞き飽きた

天体の時間 星は またたくまに はやく回り 一点だけ止まっている


歴史の時間 人々に賞賛された歌の数々
時代を超えた おおらかな友好 
僕の心は闇だとしても
光をみた人の影を追える

そうおもうと、
またたくまに ひとつ星を中心に
雑多なものが 攪拌し 分散していった
霧が晴れてゆく
さあ 旅だちは近い
鯨のように 彷徨えば、歌は星の歌


★即興ゴルコンダ参加作品 お題は小原 明季さん  「しんぼし」北極星の和名とのことです。
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自由詩 心星 Copyright るるりら 2011-07-21 09:16:35
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