I love you. の
あぐり



あなた、どうか、軽蔑してくれるかな


できることってみんな違って
そういうことわかったように風をうけています
与えられたことには
過敏な反応をして
なにをもらっているのかわからないから
すこしがんばればわらえるようになりました


言葉ばかりがどうも
うまく空をとんでいく
人並にあいせるあなたが羨ましいなんて
そんなこと、平気で言える皮膚を
街灯で焼いてぺりっと、
めくろうかなって、めくろう、かなって


今朝、こぼしてしまった
すこしあまいカフェオレが廊下に
しみだしていて
なににも思えやしないのに
名前だけを軽薄につけておきました
(みえやしないよいもの)
例えば、
あなたの右肩と耳の下にひらけている隙間みたいな
そういうものを大切に出来たらいいなって、できたら、いいなって
ちいさく震える羽の音がしています
空の色、考えられるぐらいの
首の角度、眼の開け方
覚えたのはほんとに最近だったとそういえば今、
思い出したんだけれども


これからの話、なにひとつしたくはないから
ずっと今までの今を並べてうまく
わらおうとしたのがさっきでした
さいごの一葉って
その語感が好きな薄さで思っただけなんだけど、
さいごにしようと思うなら
あなたのことを、言葉にしておきたくて
軽蔑してくれるかな
指はすごく、ただしく動いているんです



 ありがとうって
 それがわたしの訳でした
 ごめんねと
 ありがとうと
 それがわたしのI love you.で
 ごめんねの数ばかり気にしてくれているのなら
 それがぜんぶわたしの、
 どうしようもないI love you.で
 ほんとうに
 ほんとうに
 あなたなんだとおもいます
 ほんとうに
 ほんとうに
 わたしも
 あなたのわたしはわたしなんだとおもう
 あなたのためにしにたいなんて
 おもったことはなくて
 あなたのためにじゃないけれど
 いきたいなって
 おもってだから
 ほんとうにほんとうに
 ありがとう
 うまく訳せなくて
 ごめんね














自由詩 I love you. の Copyright あぐり 2011-07-12 13:49:06
notebook Home 戻る  過去 未来