ベッドの下に散らばった
投げっ放しの言葉たちが輝き始める
午前2時
灰褐色の虹彩の奥の
中心窩に囚われた屈折した光が
ざわめき始める
それが尽きてしまわぬようにと
シーツから細い手を伸ばし
隠していた金平糖を撒き餌する
床で弾かれた音が
皮膚の断層の間でまた点るくすぐったさに
堪らなく枕を抱き締めて
横目で天地のない砂時計を眺める
終わることがない
たった独りの遊戯の時間
ラブもセックスもアルコールもドラッグもない
たったひとつの陶酔の方法
けれど誰もが言う
早くおやすみなさい明日がきてしまう前にと
太陽と共に目覚めて月と共に眠る
それが我々の大昔から決まった理
あたしはそれを眠ったフリをしてやり過ごす
暗闇には怖ろしいものが影を潜めていると言う
彼らを裏切って
波打つふくらみの上で両の手を組む
黄金色した金平糖を舌で転がしながら
唇から漏れる溜息の隙間に
またたいている
星はここにあると