星の家族
石田 圭太







生きていくのに必要な
自分の命を数えたら、わからない
人に「1」だと教わっても
まだ、わからない
とても汚くつかってしまう


生きていくのに必要な
人の命を数えたら、君と、この子と、僕
の3つの命がみつかった
でも、わからない
それがほんとうと言えるのか
まだ、わからない
よく、深く傷つけてしまう




星々が遠く、ヒラキラと瞬く空の下で
メルヘンのような、遊園地の、メリーゴーランドの中では
ちょうど等身大の僕達が、くるくると楽しく踊っている
瞬く空のかけらは、楽しげな声にふるふると揺れて
やがて、やわらかな曲線を不規則に描きながら
しかし、たしかに君達のところまで降りてきた
夜の寒さに薄紅に染まった、頬のところでピタリと停まり
空と同じ、ちいさな光のつぶつぶになった
そんないつかの食卓の中で、そう思った




ずっと、耳を澄ましている




じっと、聴いていた
誰かの音を
どこかに置き忘れてきては
またいつか探し、拾いにいく


きっと、耳を澄ましている

懐かしい音が聴こえる


見付かるものの
ほとんどがきれいな物で出来ているなら
走馬灯のような過去の中で
今も迷子になりたくなる




右も左もわからない、真っ暗闇の平原を歩く
手探りの歩行紀の途中、突然目の前に現れた絶壁に
僕と、それ以外のあらゆる全てを、分け隔てられた時のような
小さな孤独の夜に、そう思った








自由詩 星の家族 Copyright 石田 圭太 2011-06-12 11:17:37
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