不滅
真山義一郎

貧しい公園の貧しいベンチで
貧しい僕らが座っていて
コーヒーをひと缶
分け合って飲んで
だけど、愛だけはあるから
寂しくはないよ

お金が入ったら
二人で公営の団地に住もう
そこには光が射すよ
そして、僕らは
幸福に暮らそう
一緒にお風呂に入ったりして

僕はずっと鬱状態に見えるかもしれない
楽しくないの?
って君は聞く
だけど、こんなに幸せな日は
初めてだよ
子どもたちが走り回っていて
砂埃が舞って

だけど、君は透き通っていくね
コーヒーを僕に渡して
悲しそうに笑って
ありがとう、
って小さく呟かないで

貧しい公園の
貧しいベンチにには
僕一人が座っていて
君のことばかり思い出して
葉に光が射していて
コーヒーの缶が転がっていって

だけど、愛だけはあるから
寂しくはないよ





自由詩 不滅 Copyright 真山義一郎 2011-06-04 16:24:19縦
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