ハッピーダイアリー
山中 烏流






毎日は平和です幸せですとりたててやるべきことも無く平凡です
起床時に布団を畳むことが面倒なので、昨日からベッドの購入を検討しています

重くのしかかる頭で考えることといえば
どうしようもない国政や環境、それからどうでもいい趣味の話
東京の空は低く暗く大いによどんでいますが
私のカップで泳ぐコーヒーは水道水産です



幸福は思ったよりも長く続くものだと近所のおばさんが話していました
高そうな犬を抱いた、きらびやかなその姿は確かに幸せそうだったので
そんな彼女がそう言うのならきっとその通りなのでしょう


生き物はいつか居なくなるので嫌いです
生きていない物は、いつか壊れるので嫌いです


嘘を見抜けない人々が私を心配する姿はとても笑えるので
繰り返すことを良しとしなかった人は
私の前から姿を消してしまいました




 よかったねしんでしまえ

 おつかれさましんでしまえ

 すごいねしんでしまえ

 おめでとうしんでしまえ

 ありがとうしんでしまえ

 だいすきしんでしまえ





私に向けられる好意的な言葉や行動は九割方嘘なので
つまり私は幸せで幸福で不自由なく素晴らしい人生を送っています

わたしはしあわせです
わたしはしあわせです
しあわせですから放っておいて下さい




端に寄せられた布団を被って、風変わりなサイクルが今日も終わります
時間と曜日の概念を無くしてからカレンダーは捨てたので
いつからか年始の出費が少なくなった気がします





生き物はいつか居なくなるので嫌いです

壊れたり繋いだり直したり繕ったりすることをやめて
その姿を許す彼や彼女、それからあなたも

私は、嫌いです








自由詩 ハッピーダイアリー Copyright 山中 烏流 2011-05-23 23:00:05縦
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