誰も知らない物語
itukamitaniji

誰も知らない物語

みんなが笑ってた話で ひとり笑えなかったこと
みんなが馬鹿にした話を ひとり聴き込んでたこと
くだらないって 誰も信じなかった話を
今でも信じて ひとり旅に出た

名前の知らない星 誰も見ていない輝き
誰かに 願いをかけてもらえるのを待っている星


みんなが歩いて行く道を ひとり歩かなかったこと
みんながとっくに捨てた地図を ひとり大事に持ってたこと
もういいよって 誰もが引き返した道を
今でも歩き続けて 結局迷ってる

まだ名前のない歌 もう寝静まった街に響いて
誰も照らさない 街灯の下をひとり歩いた


ずっと悲しかったけど それも忘れようとして
ひとり立ち向かった君の姿 誰も知らないんだ
そうして散らばった残骸の上 降り注ぐ雨粒と陽の光
尽きた命は帰らずとも 新しい日々は続く

名前のない星の輝き 君に願いをかけられて
生まれてきた意味を知る 流れ落ちる夜空に

誰も知らない君の物語


自由詩 誰も知らない物語 Copyright itukamitaniji 2011-05-22 14:38:44
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