投影
subaru★

夜陰に潜む空蝉
気付く者だけが
月を研ぎ澄ませば
金色の刃が孤影を浮かび出す

掌に止まった蝉
月は意地悪く照らし続け
君が鳴いてるんじゃないかと錯覚する

孤独な薄い影を見逃さず
凍えた蝉を掌が熱で包みこみ
色濃く浮かぶ影をそっと抱きしめた

君は鑑 僕を映す
僕はスクリーン 君を映す
一直線の光が私達を重ね合う


自由詩 投影 Copyright subaru★ 2011-05-13 02:24:00
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