死ねばいいのに
虹村 凌


牛込神楽の夜に帰りたいと思いました
新宿西口から練馬に向かうバスの中でそう思いました
氷屋がアイシーンと言う煙草を吸っていると言う
笑えない冗談を目の当たりにする下らない日常が
右斜線を通過していくのを見ながら
牛込神楽の夜に帰りたいと思いました

女子プロレスを見に行きたいしストリップ劇場にも行ってみたい
ソープランドにも行ってみたいし君のパンツを被ってオナニーもしてみたい
とか言っておけばどうにかなるかなと考えていました
結局君とは伊勢丹で朝食を共にする事は無く
僕は煙草を吸ってばかりいます

バイクの名前が決まらないからバイクを買っていません
月収15万で何年ローン組んだら良いのかな
そんな事を考えていました
バイクを買ったら月収5万の君を迎えに行くよ
タンデムには乗ってくれないだろうけど
そんな事を考えていました
一人暮らしの倉庫みたいな部屋には
ギリースーツを置いたりスロットの実機を置いたりしたいです
マンガとCDとDVDを沢山置いて倉庫にしてしまいたいです
君が全裸で歩き回っても良い様に最上階にしようかな
そんな事を考えていました
きっと君はこう言うでしょう
死ねばいいのにと


自由詩 死ねばいいのに Copyright 虹村 凌 2011-05-09 23:31:21
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