青くない空の眺め方

虹の向こうがわのことを考えていた
蜂蜜を舐めながら歩く彼のことを
いぶかしげに眺めている
そんな自分も
周りからみれば奇異な存在なのだろう

滑り台から流れ落ちていく雨
水たまりを作らずに
上手に子供達の心の中を満たしてゆく
輝くのが七色だけとは限らない


青くない空の眺め方を
なんとなく身に付けたのは
いつ頃のことだったろう
少しの工夫によって
全く違って見えるものばかりで
それはとても楽しく 
とても怖いことのように思えた


雨の中で人間が流れ落ちていく街
それでも人ごみは途切れることなく
それぞれの灰空を作り出してゆく
輝くのが七色だけとは限らない、けれど



自由詩 青くない空の眺め方 Copyright  2011-05-08 20:46:20
notebook Home 戻る  過去 未来