ロイド
みい


くるしいと
のみこむくすりみたいなことばが

あたしと
あなたを掬おうとする


あたしには
もうずっととれないいたみが

きみの手にかかれば
3秒でとれるはずなんだ

いましてる恋なんてそんなもんなのに
境界線のあるせかいじゃ

ねぇ
うまくいかない


だけど

あたしも
あなたも

なかったことにはきっとならなくて

そんなとき
たったあたしぽっちのいのちを

なかったことになるまえに
ぼくにちょうだいと

言う

あなたのことをすきで

すきで

すごくきらい



傷なら

えぐるためにある

えぐったあとに
キスをするためにいまはある


なんで

そのキスが
いつもとてもつよいのか

あたしは

気付かない


かたちのないくちびるが

おおきく
あたしをのみこんで

日々

よごれていくあたしが

どこかで
どうしてかまっしろなように

あなたのことが
だいきらいなきもちは

あなたがあたしを
生かしている
副作用だと


キスは

ふれるだけでは
とけてくれない

このせかいだけがのこる
あとあじ、なの


自由詩 ロイド Copyright みい 2011-05-06 22:54:28
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