亡国のパワースポット
吉岡孝次

清濁を
決める、のは人。


撓んだ「板」は割れるか、
跳ね上がるか。
吃音ではなく
軍を成す身震いが
国籍を求めて


腹を曝した和やかな州嶼に打ち寄せるとき
メガロポリスの風上で
手探りの、第一世代の起爆装置が
高らかに密告する、
「この地の民は生を覆せない、そして死も」
と。


事象の裂け目より
噴く、不可視の
力能。幼い俗耳へと染み入る、無声の
凱歌。


  悼む自由に刻まれながら永い「序」を
  亡びを、老いてゆく。
  だが幾度とない血の入替えで


終わりはしない。
異境から嗤われても。
末代から祟られても。

半身から断ち切られても


自由詩 亡国のパワースポット Copyright 吉岡孝次 2011-05-02 19:25:51
notebook Home 戻る  過去 未来