カナリア
itukamitaniji

カナリア

寂れた街で暮らしてる 配役は奪われてしまって
ここじゃもう 本当の君を知る人も居なくなった
賑やかなレコード屋で 隅に追いやられたCDに
救いの手を差し延べるのが趣味 まるで自分を救うように

カナリア もう誰も知ろうともしないんだ
君が本当は 何に命を懸けたいのかを


まるで見えてる世界全部 鳥かごの中みたい
どうせ何処にも行けない こんな不必要な羽なら
ちょん切ってくれてやるよ だからもう一度歌わせて
傾いたまま 積み上げたCDの塔の上に座り込んで

カナリア あの頃と同じ空を探し続けた
忘れたフリしていた 大事な歌を胸にしまって


カナリア 何にも縛られていないってことに
いつだって 縛られている気がして怯えていた
だけどもう 大好きなものを忘れる必要は無いんだよ
あの頃とはもう 何もかも変わった世界だけど



カナリア 歌えよ。


自由詩 カナリア Copyright itukamitaniji 2011-05-01 23:35:07
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