SRS15  『ハロー、ハル』/川村 透さん
露崎

 『ハロー、ハル』/川村 透さん
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=113655


 「詩は災禍を前に無力である」と感じてしまうような4月のある
日。ふと思い出して『ハロー、ハル』を読み直し、しばらく呆然と
してしまいました。そうか。とおもった。いや、特になにか結論が
でたわけじゃないけれど。とにかく、そうだよ。とおもった。とっ
ても胸が熱くなったのでした。

 本作は2007年に投稿されたものなので、震災とは何の関係もない
ですが、ふとした瞬間、過去に読んだ詩の一節が頭の中によみがえ
りぴったり来てしまうことってたまにある。いつか見た言葉がわた
しの中に息づいているというのは、よく考えたらすごいことだ。

 改めてみんなの作品を読ませてほしいと思ったな。言葉は痛みを
ともなうし無力かもしれないけれど、誰かの中に残り続けることが
できる。わたしに川村さんの言葉が残り続けたように。そして、そ
れだけで充分なのではないかと漠然とおもいました。この作品に出
会えてよかったです。



散文(批評随筆小説等) SRS15  『ハロー、ハル』/川村 透さん Copyright 露崎 2011-04-30 03:43:12
notebook Home 戻る  過去 未来