[:weight]
プテラノドン

積もり積もって壁に
わだちが残されている。
破裂したタイヤは
ツナギを着た若い作業員が運んで行った。
躊躇いがちに灰が落とされる。
それと一緒に砂埃を含んだ風が
ショウウィンドウについた手形を
明らかにした。僕はそのうちの誰か一人と
軽く握手することを考える。
人ごみの中ではなく無数の思い出の中に
立ち返らなければならない。
淀んだ川の水面をすうっと
白いビニール袋が流れていく。
沈まないことを
祈っている。



自由詩 [:weight] Copyright プテラノドン 2011-04-27 23:19:52
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