三度目の春
アオゾラ誤爆

どうしてもさむい感じがする、
雄弁なのは街の明かりだけだって
ひさしぶりに思い出した。
冬を選ばなかったぼくたちは
ようやく目の当たりにできた互いの身体に
みょうな、他人行儀な感覚と
懐かしさをおぼえていて

ようするに、我慢がならなかった。

手のひらに汗をかいていくのがわかる。
合わない歩調をもどかしがって
そのたびにつよく握ると
すこしずつ
すこしずつ
肌のさかいめをうしなっていくような、
熱い気持ちでいっぱいになる。
でも線はぼやけるだけ。
知っている
知っていて、
その
埋まりそうで埋まらないぶぶんが
どんな言葉よりも甘い
ぼくたちの恋の真髄であるような
そんな気がしていた。


自由詩 三度目の春 Copyright アオゾラ誤爆 2011-04-16 22:07:45
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