フリーワールド
虹村 凌

人生が黒歴史
みたいに思える瞬間をどうにかやり過ごす
グッドバイ
教習所に金払っちまったじゃねぇかと言う軽口で人を滅茶苦茶に切り裂ける現実
私なんか止めてしまえと言い放つその言葉の行き先の無さ
グッドバイ
後は本当にどうやって死に方を演出するかくらいしか考える事が無い
そんな気がする瞬間をどうにかやり過ごしたいけれどどうにも出来ない
さようならだけが人生では無いけれど
地雷を踏んだら死ぬしか無いよねと微笑みながら、言う
グッドバイ
昔の作家の様に気取って言ってみれば少しは苦しくなくなるだろうか
グッドバイ
あんまり変わらない気もするけれど
グッドバイ
夏物のシャツを買ったから夏まで生きようと思うんだ
別に今すぐ死にたい訳じゃないんだけど
夏までは死なないでいようと思うんだ
グッドバイ
死ぬべき瞬間なんか永遠に来ないんだろうけど
勘違いでもいいからそういう瞬間が存在する事を願いながら
笑う
くり返されるエア拳銃自殺
コメカミを突き抜けて
喉を突き抜けて
眼球を突き抜けて
頭蓋を突き抜けて
心臓を突き抜けて
グッドバイ
さっさと死ぬべきだったし
これからも迎合しながらだらしなく生きていくべきで
何度考えたって自分なんてものは空っぽでしかないから
グッドバイ
もう二度と生まれてくる事の無いように
リインカーネーションから外れていきますように
生きる事が苦しむ事であるように
生きる事が快楽だから
グッドバイ
何処にも行く所なんて無いさ
帰る場所なんて何処にも無いのにそういう場所がある気がしてただけさ
綺麗な水なんて何処にもないさ
欲しいものなんて何も無いさ
信じているものなんて何も無いさ
変わらないものなんて何も無いさ
だから僕は知りたいけれど知りたく無いから
グッドバイ
一刻も早く
グッドバイ

恐い


自由詩 フリーワールド Copyright 虹村 凌 2011-04-13 22:08:59
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