ノート(異光)
木立 悟






昏さから水に伝わる震えかな



知らぬまま川に柳に死ぬがいい



折れぬもの折れたときにみな越えるもの



笑うたび普通の暴力燃えさかる



回転と雛の殻の贄回転と



けだものの柱の脚を駆ける子ら



空の底地の底までも梳く氷



増える尾の数だけ春を離れゆく



龍の爪ひとさし指と空の間に



墓前とは異なるひかり聴こえくる



この国が消えても六時の夕餉かな




















川柳 ノート(異光) Copyright 木立 悟 2011-03-26 22:31:43縦
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