夜光虫
itukamitaniji

夜光虫

涙が止まるまで ずっとここに居て良いんだよ
世界の終わりみたいな 景色の前に座り込んで
君はたった一人 誰も知らない一つの決意をする
大丈夫 その涙は零れ落ちてきっと星になるよ

そして僕は 最後の眠りにつく その最後の場所が 君の心で良かったって思う
さようなら 君をずっと暗闇で守ってあげたいけど
白々と夜が明けて 僕は居なくなるんだ


君の心に 僕の墓標を建てよう
ただ暗いのはごめんさ 派手なやつにしよう
いつか君が 僕を思い出した時だって
涙ではなく 笑顔とともに僕があるように

君と見た 最後の風景に映り込んで
君の心の片隅で 僕は深い深い眠りにつくのさ
ありがとう ずっと大事にしてくれて
白々と夜が明けて 僕は居なくなるけど



僕らずっと一緒なんだ

ありふれた風景や
君が口ずさむ歌の中に
僕はひっそりと溶け込んで
君に会える時を待つ
消えても消えないもの
無くしても残るもの
記憶という名の生き物になって
僕は君の中で生き続ける


自由詩 夜光虫 Copyright itukamitaniji 2011-03-16 07:44:22
notebook Home 戻る  過去 未来