コンプレックス
アオゾラ誤爆

地図上の大部分はおだやかな晴れ
真ん中に私のこどもが立っている
雪が降って嬉しい、と言う

もやしを育てる
かびくさいキッチンは粘土のようにつめたい
つまり
息はしていなかったとおもう

丁寧につめを切る
断面の荒さに泣きたくなる

横たわる
天井に見下ろされる
はがれかけた真っ白いそれは
無邪気に
足跡をつけたくなるような
校庭ではなかった

子守唄はない
ここに
耳を傾ける

野菜ジュースをこぼしそうになる
コップは、
ビーカーに似た清潔なフォルム
液体の質感は百円で買った
きちんと注ぐ

いつも
こどもは水になりたがる
太陽はしずかに輪郭を暈かしていく

あらゆるものを、
ぬぐう指は尊い

そうおもう


自由詩 コンプレックス Copyright アオゾラ誤爆 2011-02-15 22:00:35縦
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