(この世は物質に囲まれて暮らす)
「ま」の字

止んだといっても
山の上では吹雪が未練げにとぐろを巻いて
こちらを窺っている

ひいはぼんやり鬱ぎ顔で
普段はけしておがませぬ白い体を曝したまんま

いいや
この地ではおれらだけ生きている
吹雪もひい死物しにぶつ
静寂シジマに青い陽がさし
くくる くるく と 
底に吹き廻るが
雲に迫って
透きかがやく日の尻が山に附くと

(麓いったい 影に入る)











自由詩 (この世は物質に囲まれて暮らす) Copyright 「ま」の字 2011-02-08 22:08:44縦
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