ペンギン
itukamitaniji

ペンギン

記憶から切り取られて 君を乗せた流氷は
滑り出してまだ知らぬ 新しい海の上
君の時計は 世界のそれとはちょっとだけ
遅れて回りはじめた ようやくここから始まるんだよ

時を待ってるって 何か偉そうに言ってたけど
つぶらな瞳には いつも不安な未来が映り込んでた
消えてった仲間 もう何回さよならしたっけ
置いてけぼり喰らって 記憶の隅に立ち尽くしてた

それはそれはとても晴れて
よくオーロラの見える夜でした

誰も気付くことはない たった一人での決心
遅すぎるなんてこと 決してそんなの無いのだから


記憶から切り取られて 君を乗せた流氷は
形を変えながら 新しい海の上を進んでゆく
一番綺麗な星屑に こっそり自分の名前を付けたんだ
そうやってあの星には たくさんの名前があるのだろう

それはそれはとても晴れて
よくオーロラの見える夜でした

誰も気付くことはない たった一人での決意
遅すぎるなんてこと 決してそんなの無いのだから
悲しみも苦しみも 長い長い旅の果てには
みんなみんな 綺麗な物に変わってゆくんだよ

そう信じて 信じてみてよ


自由詩 ペンギン Copyright itukamitaniji 2011-01-24 17:30:30
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