ほたる
itukamitaniji

ほたる

記憶の町にはもう 僕の痕跡はなくなっていた
見慣れた風景を あたかも初めて見るフリをして歩いた
何を思えば良いんだろう 埋もれた記憶の中で
迷子になって歩いていた 歌でも歌いながら

そしたら何処からかともなく 降りてきた光があったよ

迷子にならなけりゃ きっと出会えなかった風景
暗闇の中だったからこそ 見つけられた君は僕の光だ


誰も導いてくれない 正しい答えのある場所になんて
だから何を信じるか ひとり探して思い込むんだ
例えばそれが間違いだ 届かないよって言われても
じゃあどうして君と出会ったの そんな言葉を空に放った

そしたら何処からかともなく 聴こえてきた声があったよ

迷子にならなけりゃ きっと出会えなかった風景
静寂の中だったからこそ 聴くことができた声
手を伸ばしても 届かないところから
聴こえてくる 君の声は僕の光だ


胸が張り裂けそうな そんな夜にはいつも
夢さえも見ないで 静寂に耳をすました
手を伸ばしても 届かないところから
聴こえてくる 君の声は僕の光だ

暗闇の中だったからこそ 見つけられた君は僕の光だ


自由詩 ほたる Copyright itukamitaniji 2011-01-11 23:12:45
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