騙しだまり
石川和広

悲劇
ちいさいころ
とくと
味わう
繰り返しめぐり
冬が耳たぶに

増水し
コーヒ色になった
濁流

きらいでもすき
すきだけどしんどい
いじめてくる奴と
小四の時眺めた

濁流
もうことば
なまえはっきり流れて雨
今も
わたしにふりそそぎ

ああ

自由
不自由
等号

闇雲に
ミミズは這わない
水を求め

わたし

ふしあな?

いいや
うそつくなわたし

流れる夜気

天井は見え
暗闇は
さわがしい夜の明かりの中


自由詩 騙しだまり Copyright 石川和広 2004-10-30 01:45:27
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