思い出
未有花

重い荷物を背負って
物憂い坂を上る
一番好きな歌を
でたらめに歌いながら

*

押入れの中には
持て余した夢の残骸
潔く捨ててしまえ
できそこないのガラクタなんか

*

幼い日の夢は
森の中に隠してしまおう
いたずらに描いた
デッサンとともに

*

終わらない旅路の果て
物語は続いて行く
いらなくなった愛の
出番は二度と訪れはしない

*

恐れなくてもいい
もう一度自分を信じて
いつでも心は
出口を探している

*

丘の上のあの家には
もう二度と帰れない
いつの日にも思い出は
でこぼこ道へと続いている


自由詩 思い出 Copyright 未有花 2010-12-07 09:57:45
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