Zombie
三奈

「有害な空気を生み出す煙突のようだね」

そう呟いたのは、他でもない私の心でした
体内をぐるりと回り行き場を失くした有害物質は、ため息と共に吐き出される

透き通った冬の空気
吐いた息は煙みたいな灰色だ

「心が焼却炉になったのはいつからだろう」

そのせいで私の口は煙突になってしまった
もえるゴミは毎日飽きずに何かを叫び
焼却炉が無理やりそれを黙らせる

本当は気づいていた
“愛して”の声

誰が?誰を?
私が、私を

今日もせっせっと焼却炉
もえるゴミを燃やしていく

壊れるまで働いてちょうだい
火種なら無限にあるからね

今日もせっせと私自身が
私自身を潰していく








それでもなぜ、もえるゴミは生き返るの?
昔見たホラー映画のワンシーンが
ふと、脳裏にちらついた






自由詩 Zombie Copyright 三奈 2010-11-24 14:51:29
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