なきごえ
愛心



声に出して泣いてみたの

うえん、うえん

まるで幼子のように
その高い悲鳴を張り上げ

うえん、うえん

雨のノイズに
涙が混じり溶け合って
アスファルトに染みをつけても

うえん、うえん

限りを知らないわたしは
泣いて、泣いて、泣いてみたの

うえん、うえん

もうでないくせに
からだの細胞ひとつひとつを
水分にして

うえん、うえん

雨の煙に
混じり立ちのぼる
わたしのからだ

うえん、うえん

雨煙、雨煙

消えてしまってもいい
と 思ってしまったの
だって

うえん、雨煙

だって

雨えん、う煙

もう限界なんだもの

雨煙、雨煙



雨のノイズ

悲鳴は溶け出して

地面へ染み込んでく


携帯写真+詩 なきごえ Copyright 愛心 2010-11-22 16:05:01
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