Wind-ow
黒乃 桜
君は端っこの席で
いつも頬杖をついて
窮屈な空気に飽きたように
紐靴を揺らして 窓を見つめ
風が吹けば良いのにと言った
蒸し暑い部屋の中にも
偏りがちな脳内にも
そしたら昇っていけるよ
こんなガラスよりずっと遠くまで見渡せるよ
頬を撫でてくその温度を
追いかけて行きたいのかもしれないね
君は弾かれた世界で
ガラス窓に片手をついて
靡いた誰かの髪を眺め
嘆いた事を少し悔やんだり
そして僕は次の瞬間
そんな君を連れ出そうとする
靡いた君の髪が見たいんだ
窓なんか取っ払ってさ
本当の風が頬を撫でる
そんな世界は 好きかい?