「 わるい肉。 」
PULL.







皮膚の下ふえる傷がいとおしくまたひとり肉を咬んで夜。


肉袋の中ひとつちいさくふるえる眼に皮を縫い付け朝。


剥き出しの肉にあなたの名と眼を付けて飼ってみるもゆめゆめゆめ。


昨日までの皮の名で呼ばれあなたを想い出す肉が憎くて。


眼をとじてあなたのすがたを咀嚼する剥き出しの肉袋の中。



わるい肉からおいしくなる食べてしまえばあなたもわたしの肉になる。









           了。



短歌 「 わるい肉。 」 Copyright PULL. 2010-11-08 20:23:30縦
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