トカレフ、マカロフ、ラスコーリニコフ
虹村 凌

安全装置を外したら
さぁぶっ放そうぜ
四面楚歌
六道詰んで
八方塞がり
壁、壁、壁
コンプレックスだらけで眠れないくらいに
生きてる事って辛く無いか?
そんな事無いか
煙草が美味しかったり
缶コーヒーはいつも通り不味かったり
セックスは気持ちよかったり
死にたくなったり
生きていたかったり
全部面倒だったり
するよな
見えない自由が欲しくて
見えない銃を撃ちまくって
エアー拳銃自殺繰り返して
何回も暴発して
穴だらけだよな
そんな事無いか
見えない銃に
安全装置なんて無いもんな
だから今日も
俺が俺に殺されちゃう夢見たりして
真夜中に目が醒めるし
つけっ放しの蛍光灯に安心したりする
怒りだか何だかよくわかんないんだけど
声にならない言葉を叫んだら
白と黒の車が来るかな
赤いランプを消して
白と黒の車が来るかな
事件になりそうだって顔しながら
新聞屋さん達はがっかりするだろうな
俺には精神科に通った経歴が無いから
でも脳神経科に通ってたって書くかもな
入院してて退院したてだって書くかもな
みんな違いがわかるかな
わかんないだろうな
そんな事無いか
でも何も叫ばない
みんなが平和でいて欲しいからね
なんて思うのは俺だけかな
そんな事無いか
あれ
安全装置ってどこにあるんだっけ
そもそも安全装置って何だっけ
そんなもの最初から無い感じ?
そんな事無いだろ
多分だけど
だってほら
良心の呵責とかあるじゃん一応
ひとにやさしくとか思うじゃん一応
狂犬じゃねぇんだからさ
そんな事


自由詩 トカレフ、マカロフ、ラスコーリニコフ Copyright 虹村 凌 2010-11-02 18:48:00
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