『あの子』
et ceteras


窓際に立ったあの子を
射抜く その視線が、
絡まり衝いた鎖が
ほどけない、ほどけない

ガンジガラメになって
日々痛々しく
真っ暗な世界に
置き去りにされた様で

うしろから
抱きすくめられ 笑み

逃げて 逃げて 逃げて
声も聞こえぬよう、
耳をふさいで
取り戻したい 純情じゃなく
君をこの手の中に。

窓際に立ったあの子を
ついに閉じこめてしまった
後悔の念はない。
笑わないことに苛つく

何が変わった?
真っ暗な世界は素敵だろう
何が不満で君は泣いているのか、

逃げて 逃げて 逃げて
もう戻れぬ傷痕を
なぞるようにしてた
恐い 恐いと嘆いて
見ないようにしていた
現実がそこに在る。

愛しただけなんだ
ただ君を一途に
他は何も見えないよ
君だけを…

逃げて 逃げて 逃げて
声も聞こえぬよう、
耳をふさいで
取り戻したい 純情じゃなく
君をこの手の中に。

逃げて 逃げて 逃げて
もう戻れぬ傷痕を
なぞるようにしてた
恐い 恐いと嘆いて
見ないようにしていた
現実がそこに在る。

君を殺めて共に逝こう


自由詩 『あの子』 Copyright et ceteras 2010-10-15 04:39:13
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