SO WHAT ?
アラガイs
―高架線の脇を潜れば/車道 。 昼間 蒸発したはずの微熱が沈殿する 。 (朦朧と)宵 ( 吐き出される触媒の黒い誘惑 )らぁ げ ( そして 深く蒼く/ 夜を待つ )倦怠 。
肌の苦味が点滅に霞み 舗装は堕落を纏う 。
アドレナリンがばらまかれた 。 キュルキュル キルと ――/―そこらじゅう 。家路に急ぐ 彼らの肩を 縮めている 。
それにしても不躾な女だった 。
今朝から虫の居所がわるいのは きっと死神に憑かれた所為だろう 。 石鹸の匂いが いまも鼻に残る 。゜ じっと バックミラーを凝視する 。
顔の見えないあの不気味な車はまだ、 後ろに張りついていた 。
/眩しさが行き詰まる交差点// /蒼く滲んだ街 。
苛立ちに噴火した痕跡が残る危険地帯 。 獣の焼けた匂いが 百頭虫のリズムに似ている 。 何かが起こりそうな朧気な夜 。 ただ 不規則な心臓の響きが不安に共鳴した 。
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/信号は瞑想を押し返す 。
急に割り込んで来た白いワゴン車の右側からしきりに灰が落ちてくる 。
苛立ちを押さえるように 俺は窓枠から肩肘を付き出して足下に視線をずらすと
FMから流れてくる音楽を― JAZZ に切り替えた 。
呟く母音のため息はいまに燻る煙を発火させるだろう。
張り詰めた俺の両肩は 境界線を越えて とうとう誤曝を開始した 。
「予感とはいつもわるい方へ足を向けたがる 」
燻ったままタバコの吸いガラがワゴン車から放り投げられた 。
キュルキュルキル 。)ちっ( 俺は右上腕の内側にできた瘡蓋を掻きながら 手首まで一直線に赤く太いペンキを奔らせた 。
ダッシュボードから黒い皮手袋をひとつ取り出すと 赤い血は脈を速め そして 、右手は 用意される ) 。
‥車が走り出す 。
不意にぱらぱらと 精液のような唾の飛沫が飛び散ってきてフロントガラスに粘液が貼りついた 。 ゜耐えきれない断層線が弾けてキレた《《《 ラジオの音量を二段階あげる 》》》 力のないアクセルを目一杯吹かしては ブレーキを踏み込む 。―狂気が爆音をあげ追走する。 追い越し/逃げてゆくオレンジの放射線 。
/タイヤの音が悲鳴をあげた 。 闇のなか牙を剥いた獣が必死で食らい付いてゆく夜の車道 ――
大と小の金属音が激しく罵りあいながらを吹き荒れている キュルキュルキル 。 黒く蒼い響き―/―――― 。
動揺を隠せなくなった白い象は 三つ先の信号で急停止した 。
ケツにピタリと止める。
ゆっくり と 鋼のドアを開ける。
二回ほど 黒い拳に力を加えると
俺は 顎を突きあげてワゴン車に近づいていく 。
中から小刻みに震える口笛と けたたましくメタルが鳴り響いていた 。
黒い皮手袋の甘い張りは氷を打ち砕く 。
流れる血はその重苦しさに逆流をはじめ 突然に噴火する 。
激しく打ち続けた太鼓の波が 、バスドラの低い地響きから戦慄へと変わるとき
/ /世界はまた 思い知るだろう 。
俺は 白い 車体の根元に
ひとつ
甘い唾を 吐き棄てた /
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「SO WHAT 」 ?
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