愛の最前線
吉岡ペペロ



人類を代表して最愛にねじこんだペニスは
ぼくをまるで岬の突端に立たせていたのだった
風が吹いていた

ここに地終わり、海始まる、

愛の最前線とはこんなところだったのだ


クリムトの描く至福の顔におんなは似ていた
停まってしまったCDを再生しに
ぼくらは繋がったまま5メートルをあるいた
おんながボタンを押した
ぼくはうえからおんなの曲線を見つめていた
それはシャガールの描く人物のカーブに似ていた

おんなのからだはうつくしかった
ぼくはどうしたらよいのかも分からない
中学二年の秋でしかないようだった
それは欲望と呼べる代物でも
ましてや純情でもないようだった
ぼくはおんなに叩かせてくれと頼んでいた


人類を代表して最愛にねじこんだペニスは
ぼくをまるで岬の突端に立たせていたのだった
風が吹いていた

ここに地終わり、海始まる、

愛の最前線とはこんなところだったのだ


携帯写真+詩 愛の最前線 Copyright 吉岡ペペロ 2010-10-05 00:31:01
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