平成☆ちえこ抄
吉岡ペペロ
東京の空がせまいと言ったのは
ちえこだった
彼女は感覚と真実を
せまい世界から発信していた
ぼくはひとつの特権だ
ぼくしか聞こえないちえこなのだから
ひとりカフェでのむ珈琲
この炭汁を彼女にも分けてやろう
注げるものは愛だった
石でもない木でもないちえこには
どこか異国の流行り唄のような
風来坊のぼくしかいないのだから
東京の空がせまいと言ったのは
ちえこだった
彼女は感覚と真実を
せまい世界から発信していた
ぼくはひとつの特権だ
ぼくしか聞けないちえこなのだから
ひとりカフェでのむ珈琲
この炭汁を彼女にも分けてやろう