フラッグ
umineko

私は想う
あなたと出会う
その事実を
あなたの意味を

これから
私は失っていく
例えば友を
痛みを

そのとき
私が還れるために
北極点のすがしさで
あなたが

たとえば
カフェの片隅で
公園通りの
枯れたベンチで

あなたが今日も戦っている
その事実を
私は
今日もまぶしく想う

私は
あとどれほどのことばを遺し
死んでいくんだろう

届かない
闇に投げた
麦わら帽子も
蝉の声も

あなたは
ただ消えていく私の声に
耳をほどいてくれるだろうか

それとも
あなたはあなたのままで

夜にたなびく
道標として
 
 
 



自由詩 フラッグ Copyright umineko 2010-09-30 08:06:29
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