ラブホテル
吉岡ペペロ
学生のころ
留年すれすれだった彼女と試験期間中
ラブホテルに十連泊した
ゼミイチだったから
ぼくには後期試験は関係がなかった
フラ語を教え、経済原論を教え、
商業簿記なども教えた
べつにその学科が得意だった訳ではない
彼女がまじめな友達にコピーさせてもらったノートやテキスト
それをぼくが
いちから勉強しなおして彼女に教えていたのだ
最終日彼女が試験を終えたあと
ふたりでまたラブホテルにはいった
たしかコンビニで一万円くらいいろんなものを買った
お菓子やお弁当やドリンク、アイス、雑誌、コンドーム、
しかし朝までただ眠っただけだった
ほんとうにただ
ぼくらはひたすら眠っただけだった