散策の色
番田
私は何も知らない子供の目をして
今日も行くだろう 私の出歩く季節の中を
ぼんやりとざわめきの中で思いをこらし 腰を下ろす
木影は蝉の鋭く鳴く暑い季節もあるだろう
とても穏やかな色彩の晴れの日の音楽は
青色をしている 流れる川のほとりに私は腰を下ろして
その音色を 私はぼんやりと聴きとめるだろう
そんなとても暑い日の緑色を駆け回る子供の姿は
心の中に明確に捉えた その流れていく矛先を見つめるだろう
私は思う 流されてくるその音色たちを
私の茶を飲んでいる 焦げ茶色に濁った影は
いつまでもその音階を聴かされることだろう
色々な彩色を施した音色の中にある
荒れ狂う雨の日の音階の激しい音の流れだとしても
私は川辺でひとり 流れる時代の現風景を見つめる
この散歩に何か特別な理由があるのかどうかなど知らないけれど
こうして嵐の日も風の日も 私は川のほとりに居座り続ける
私小説の表紙に彩られた 青白い田園風景を手にしながら