散策の色
番田 

私は何も知らない子供の目をして
今日も行くだろう 私の出歩く季節の中を
ぼんやりとざわめきの中で思いをこらし 腰を下ろす
木影は蝉の鋭く鳴く暑い季節もあるだろう


とても穏やかな色彩の晴れの日の音楽は
青色をしている 流れる川のほとりに私は腰を下ろして
その音色を 私はぼんやりと聴きとめるだろう 
そんなとても暑い日の緑色を駆け回る子供の姿は 
心の中に明確に捉えた その流れていく矛先を見つめるだろう
私は思う 流されてくるその音色たちを
私の茶を飲んでいる 焦げ茶色に濁った影は
いつまでもその音階を聴かされることだろう 
色々な彩色を施した音色の中にある
荒れ狂う雨の日の音階の激しい音の流れだとしても


私は川辺でひとり 流れる時代の現風景を見つめる
この散歩に何か特別な理由があるのかどうかなど知らないけれど
こうして嵐の日も風の日も 私は川のほとりに居座り続ける
私小説の表紙に彩られた 青白い田園風景を手にしながら



自由詩 散策の色 Copyright 番田  2010-09-29 03:46:11
notebook Home 戻る