毒りんご
空美
鏡の中のあたしは
毒りんごを持ったお婆さん
あの娘の笑顔を壊したい
醜い心のお婆さん
優しく近づき猫なで声で
このりんごを差し出せば
きっと食べてくれるはず
疑うことなどないままに
そしてあの娘の笑顔が消えたあと
あたしはやっと笑えるの
だけどあの娘は目覚めてしまう
泣いてくれる小人たち
口付けくれる王子様
おとぎ話はいつだって
主人公の味方だから
鏡の中のあたしは
毒りんごを持って泣いていた
あの娘の笑顔が壊せないと
歪んだ顔で泣いていた
だからあたしがりんごを食べる
醜くい心はいらないの
あたしがりんごを食べる
最後に悪者はいなくなるのがおとぎ話