夕焼け、秋
真山義一郎

夕焼け色の空を見て
君は癒されるでしょうか
あの日、
海で見た
あの空のように
終わり行く一日を
溶かすように
僕らは終わったのでした

愛しています
と呟くたびに
コップの中のミルクの白が濃くなっていく気がして
僕はただ、そのミルクを飲み干すしかなくて
呟くように
囁くように
また、あなたの肌に触れたかった

ポインセチアの赤
空は秋です
風は少しずつ冷たさを増して
本当に
僕らは同じ空気を吸って
吐いているのでしょうか
この空の下で
つながっているのでしょうか

夕焼けがやってきます
僕は
僕は癒されるでしょうか
あなたのいないこの秋に
僕はひとりで
風に吹かれて
立っています
立ち尽くしています




自由詩 夕焼け、秋 Copyright 真山義一郎 2010-09-09 23:56:44
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