たくさん
佐々木妖精

分からない
何も分かりたくないしニータニータいたい、たしくわらっていたい口元の傷隠して笑っていたい

頭でっかちの前向きが窮屈に耐えかね鈴生り走ってった夏
青白く誘う街灯に触れ指紋が1つ消えた
アスファルト 電柱の幹 ポイ捨て 白猫
にゃーと三回告げ門を擦り抜け消えた

見えないから見なくなったのか
見なくなったから見えなくなったのかは分からない
星といえばそれは私のように孤独な
それでいてやかましいこの惑星1つだった
レールの軋む音 人身事故 悲鳴
ギャーとか三回喚く関係ないやつら

見上げてみた空に星があり
街灯の上でなお霞まずに在る
計38個の恒星 惑星 衛星
きれいとかなんとか言えばいいのに
こうして数えしまう

見えないから見なくなったのか
見なくなったから見えなくなったのか
そんなことは忘れて
見上げてばかりいた頃のように
たくさんをきれいとつぶやきたい


自由詩 たくさん Copyright 佐々木妖精 2010-09-04 00:54:07
notebook Home 戻る  過去 未来