砂利道
たもつ

 
 
都市の息づかいの奥へと
延びていく砂利道
書きかえられた公図の写しを
大事そうに抱えた男が
小さな石の陰でうずくまっている
眼の中を覗き込む
そこは既にもぬけの殻
わたしの数十年など
男の一センチにも満たない
窓という窓が溶ける
それらはやがて海のない水となる
都市は浸食されながら
人口を産み
人口を削る
それでもヒトは
言葉さえあれば
貝の肉等を食べ続ける
 
 


自由詩 砂利道 Copyright たもつ 2010-08-30 21:25:41縦
notebook Home 戻る