熱帯夜
あぐり




甘苦しい鼓動と呼吸で輪郭を肥らせていく小部屋にいます


焼けついた涙の痕を剥がそうと掻き毟ってる深爪の指



(吐いた息、吐いた涙、吐いた嘘 ぜんぶぜんぶきみだけに降れ。)



むせかえるわたしの何を糧にしてポストライムは育っていくの


ためこんだ吐息の濃さなら窒息死できるのかしら。こたえてください。



しめつける海を抱きしめ頭からかぶさる毛布の色はネイビー

カーテンを閉めればわたしの泣き声としあわせまみれの熱帯雨林






短歌 熱帯夜 Copyright あぐり 2010-08-29 11:50:03縦
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